およそ1年7ヶ月ぶりの土

田中将大の負けの意味

しんしんと雨が降るイリノイ州シカゴ。

そのシカゴを本拠地とするアメリカメジャーリーグのチームと言えば、
「シカゴカブス」


前持って言っておくと、「シカゴホワイトソックス」ファンの方には申し訳ないと思っている。


アメリカン・リーグに所属する「ニューヨーク・ヤンキース」の田中将大がメインの話題であるにもかかわらず、同じアメリカン・リーグのホワイトソックスではなく、ナショナル・リーグに所属するカブスがこの話題の準主役を務める。


いや、本来ならカブスの方が主役を演じたのかもしれない。


なぜなら、日本とアメリカの2大陸で続けてきた田中将大の「レギュラーシーズン34連勝」を交流戦の場で阻止したチームがこの「シカゴカブス」だったからだ。



~少し、シカゴカブスについて触れておきたいと思う。~



1871年に今と同じく「シカゴ」で創設された球団・・・。
ということは、創設から100年以上も、このチームはシカゴから本拠地を動かしていないことになる。

そのホームグラウンドが「リグリーフィールド」。
ナショナル・リーグの球団の中では、最も古く1914年に完成した球場である。

球場の周りを蔦がはう古き良き球場としても有名だ。

照明設備が整ったのが1988年であるから、それまではナイターができなかった球場としても知られる。


この伝統ある球団でやはり一番の思い出深い選手と言えば、
「サミー・ソーサ」

が挙げられると思う。

1998年に、ホームラン60本を越え、最終的に66本を放ったが、同じ年に「マーク・マグワイア」が70本の新記録(当時)を達成し、ホームラン王のタイトルを逃している。
(後に2回ホームラン王を獲得している)


現在、このチームに所属している日本人選手は、元阪神タイガースの「藤川球児」。
かつては、「福留孝介」や「田口壮」も在籍した日本人にとってはなじみの深い球団である。


しかし、ここ最近、特に日本においてカブスが話題になることはほとんどなかった。

それが、日本からやってきた1人のピッチャーのために、全米あるいは日本からも注目を集めることとなってしまったのである。


さて、田中将大が約1年7ヶ月(21ヶ月)ぶりに、レギュラーシーズンで黒星を味わった。

この日の雨が原因なのか、自軍の攻撃が機能せず援護できなかったせいなのか、それとも・・・。


田中将大と”2度目の対戦”を迎えた初めてのチームだったからなのか・・。


とにかく、2012年8月19日に日本の西武ライオンズに敗れて以来の敗戦に、一様にメディアは騒いだ。

とりわけ、ニューヨークは一斉に「タナカが負けた」と報じた。

まるで、「そら、見てみろ!高い金を出して獲得したが一度対戦した相手には簡単にやられるじゃないか!」
と言わんばかりに。


「理由はどうあれ、負け投手となった」
と騒ぐニューヨークに、田中は意外と冷静だった。


「まぁ、ちょっと残念です。
多くのファンが勝ち続けることを期待してくれていたんで。
次回の登板でまた勝って、連勝を目指していきたい。」

そう語った田中は、
「チームメートのおかげでここまでこれた。」

と楽天イーグルスとニューヨークヤンキースで、恵まれたチームメート達への礼も忘れなかった。



まず、天候について考えてみたいと思う。


この日は、球種のばらつきがあった上に、いかんせん決め球のスプリットの調子が悪かった。

初球に入る速球は、真ん中に集まってしまった。
と思えば、スプリッターは、完全にゾーンから外れていた。

ヤンキースの「ジラルディ」監督も、
「スプリットが良くなかったね。」
と認めている。


同じく「ラリー・ロスチャイルド」ピッチングコーチは、途中にグランドキーパーに
「マウンドを綺麗にしてくれ!」
と要求していた。


しかし、その後も、アメリカに来て初の雨の中の試合で、田中の足下がぐらついていたのは確かだった。


「スプリットが思うようにコントロールできなかった。
すべての球種で対応しようとした。」


天候のせいにするわけにはいかないが、明らかに雨によるマウンド捌きに難があったのは事実だろう。


しかし、地元のヤンキースタジアムもドーム球場ではないことを考えると、今後もこのような雨が降る中のピッチングも余儀なくされることになる。

これは、田中が語るとおり、今後の対応が求められるだろう。



次に、相手のカブスが2度目の対戦で、いわゆる「目が慣れたのではないか」という理由を見てみたい。

確かに4月16日の1度目の対戦では、8回をたった2本のヒットに抑えていた。

「ルイス・バルブエナ」に至っては、2三振と打ち取っていたが、この日は3本のヒットを打たれ、内2本はツーベースだった。


カブスのレンテリア監督は、
「タナカは、本当にタフな相手だ。
彼のスプリットはゾーンから外れていた。
我々が彼に勝つために、選手達はきちんとストライクゾーンで彼と勝負してくれた。」

と語っていたように、明かなボール球となっていたスプリットには手を出さず、ストライクゾーンへ置きに来たボールをきちんと叩けたことが勝因と考えていた。


確かに、この日の田中は調子が悪かったのかもしれない。
しかし、2度目だったからという意見は、ほとんど当てはまらないだろう。

なぜなら、田中がこの日の自分の悪かった部分をすべて把握しているからだ。

つまりは、修正能力の高いこの日本人ピッチャーにとって、3度目の対戦だろうと4度目の対戦だろうと、その日、自身が納得のいく投球ができれば、今回の対戦のように簡単に崩れることはない、ということになる。


ニューヨークメディアが、カブスに打たれたことを”やんや”と取り上げるのは、カブスがこの日まで「16勝27敗」と大きく負け越しているチームだからだ。


「雨が降ったぐらいで、そんなチームに負けやがって・・・」

という嘆きもニューヨークメディアには入っているかもしれないが、長く「日本の田中将大」を見てきた日本のファンの中で、心配をしている人は、ほとんどいないのではないだろうか。


「スプリットが良くなかった」と田中について語ったジラルディ監督は、自分の責任についても言及していた。

「ラインナップをミスした。」と言うのである。


現在、先発投手が手薄となっているヤンキースで、
毎回トレードでの獲得候補に挙がるカブスの「ジェイソン・ハンメル」
この日、田中と投げ合ったこのスターターは、キレのある変化球でヤンキース打線を封じ込めた。


「彼は、いい動くボールを持っているしそれを我々は分かっていた。
彼のスライダーは本当にいい。」

つまり、打線が対応できず援護できなかった、と打線の面から田中を擁護した形を取ったのだ。



しかし、連勝が途切れた田中の表情は悔しさよりもどこか、さっぱりした表情のようにも見えた。



~早めに気持ちを切り替えられる。~

2013年の日本シリーズで、第6戦で160球を投げて敗戦投手になったにもかかわらず、
次の日の9回に登板し、ジャイアンツ打線をピシャリと抑えた姿を日本のファンはみんな知っている。


「確かに残念だったが、次の先発にむけてベストを尽くしたい。」

そう語る田中を心配しているファンは一人もいないはずだ。



・・・・・それから5日後・・・・・


前言撤回しておこう。


シカゴホワイトソックスの話題もあった。


田中将大が「悪夢」と言われた敗戦の次に上がったマウンドは、同じくシカゴの「セルラー・フィールド」。
ホワイトソックスの本拠地である。


結果は??・・・


「7-1」
投打がかみ合ったヤンキースの勝利であった!
もちろん、勝利投手は田中である!


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